どんな塗料がある? 外壁塗装の【塗料】の種類

「そろそろ我が家も外壁の塗装をしようかな?」

そう思った時に気になるのは、どんな塗料が良いのかということではないでしょうか?

そもそも塗料の分類方法は大きく分けて3つあります。

  • 1液か2液か
  • 水性か油性か
  • 樹脂の種類

2022年現在、最も耐候性のある塗料は「2液弱溶剤無機塗料」となります。

ではこの塗料がどんな住宅にも最良かというと、決してそうではありません。

塗料には様々な種類があり、耐候性以外の特性があるからです。

今回はどんな塗料があり、それがどんな特性を持っているのか解説していきます。

1液と2液による分類

塗料は湿度や熱等に反応して硬化し、膜を形成します。

この塗料を硬化させる成分である硬化剤が、最初から入っているものが1液、現場で調合するものが2液となります。

2液の塗料は現場で調合するため、計量が必須になる等、取扱いが難しい面があります。

しかし1液と比べて、一般的にはやや耐候性に優れている傾向があります。

また用途に合わせて硬化剤を選べる塗料もあり、融通が利くことも強みです。

水性と油性による分類

水性や油性というと、ボールペン等の筆記用具で耳馴染みがある言葉ではないでしょうか?

実は正しく言うと、油性ではなく「有機溶剤」になるのですが、慣習的に油性と呼んでいます。

筆記用具と同じように、外壁用の塗料にも水性系と有機溶剤系があります。

水性系

水性塗料は水で薄めて使用します。

水が蒸発すると同時に硬化し、塗料による膜が完成します。

機能面でのメリットは、臭いが少ないことと、有機溶剤系より環境や人体への安全性が高い点です。

また湿気の通しやすさ=透湿性は水性に軍配が上がります。

見た目の面でいうと、完全な艶なし塗料ができることがメリットと言えるでしょう。

デメリットは、あくまで有機溶剤系と比較してですが、密着力に劣る、乾燥が不安定、ムラができやすいことが挙げられます。

有機溶剤系

有機溶剤と一口にいっても、実は色々な種類があります。

この有機溶剤とは、俗にいうシンナーを指します。

有機溶剤は水と比べて乾燥が安定しており、塗りむらが出来にくいというメリットがあります。

耐候性にも優れ、浸透性と密着力も高く、水性と比べると色々な点が強力です。

その分、臭いも強力で、環境や人体への安全性も劣ります。

また高い浸透性と密着力は、不具合の原因にもなりえます。

ただし、一般に使用する個人住宅用の塗料は、これらの特徴が幾分マイルドな弱溶剤(塗料用シンナー)」を使用します。

昔ながらの危険なイメージのあるシンナーは「強溶剤」という区分になり、橋梁等の公共物に使われることが多いものです。

樹脂の種類による分類

樹脂とは読んで字の如く、樹木の油脂です(代表的なものは「松やに」など)。

それを人工的に作り出した「合成樹脂」で、塗料は作られています。

合成樹脂にもやはり色んな種類がありますが、外壁用の塗料として分けると主に4つ。

  1. アクリル
  2. ウレタン
  3. シリコン
  4. フッ素
  5. 無機(正確には無機は樹脂の種類ではありません)

塗料の種類といえば、まずこの樹脂の種類に着目がされると思います。

なぜなら塗料の耐候性は、この樹脂によるところが大きいからです。

近年では、シリコン塗料の価格が下がったこともあり、個人宅に耐候性の低いアクリル塗料とウレタン塗料が使用されるケースは減ってきました。

今では、ほとんどの塗装業者がシリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料の中から提案しています。

では金額を抜きにすれば、無機塗料が最善の選択になるかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

塗料は耐候性が上がるにつれ、乾燥後にできあがる膜が固くなり、また湿気も通しづらくなる傾向にあります。

外壁が既に水を吸い込んでしまっている状況ですと、高耐候の塗装をしたばかりに湿気が逃げず、却って不具合の原因となってしまうこともあります。

そうした条件をクリアし、金銭面の問題もクリアできれば、無機塗料は最高の選択となるでしょう。

まとめ

今回は塗料の種類について解説しました。

耐候性だけで言うと「2液・油性・無機塗料」が良い塗料となります。

しかし、塗料は耐候性だけではありません。安全性、透湿性、艶などの見た目……何を重視するかによって、最適な選択は変わってきます。

どんな塗料があるのか知っておくことが、後悔のない選択への第一歩です。

 

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