現在、塗り替え用塗料としては、耐候性に優れた塗料として知られている無機塗料。
市場に登場したのは、2000年代半ばから後半にかけてのことでした。
それから15年以上経った今、塗料メーカー各社は無機塗料の展開していくとともに、次の塗料を開発しています。
そして2023年、無機塗料の分野で知られるKFケミカル社が、期待耐用年数 30 年の塗料を発表しました。
それがポリウレア樹脂を使ったKFスーパーウレアコートです。
目次
ウレア塗料を構成するポリウレア樹脂の特徴とは?

ポリウレア樹脂は、ポリイソシアネートとポリアミンの化学反応により形成される「ウレア結合」からなる樹脂です。
ちなみに、ポリアミンがポリオールに置き換わると、良く知られている「ポリウレタン樹脂」になります。
ポリウレア樹脂の特徴として、以下の4点があります。
- 強度・柔軟性に優れる
- 耐水・耐薬品性に優れる
- 耐候性に優れる
1.強度・柔軟性に優れる
従来の高耐候性塗料は、製品によって差はあれど、脆性は高いが靭性は低いという欠点がありました。
これはダイヤモンドやセラミックス、ガラスと同じで変形が少なく、引っかき等には強い一方、引っ張りには弱くなります。
そのため、建物の動きや経年劣化によるひび割れ(クラック)に追従しにくいという問題がありました。
しかし、ポリウレア樹脂は靭性が高く、柔軟性を有しています
その樹脂で作られた塗料なので、KFスーパーウレアコートはまるでウェットスーツのような、強くしなやかな塗膜を形成します。
2.耐水・耐薬品性に優れる
ポリウレア樹脂は、科学的に安定しているため、酸、アルカリ、油、熱といったものに対して優れた耐性があります。
またポリウレタンと異なり、ポリウレアは水分による劣化(加水分解)が発生せず、防水性に優れます。
3.耐候性に優れる

ポリウレア樹脂は耐候性に優れています。
耐候試験の数値は無機塗料を上回り、30年相当経過した後も劣化はほとんど見られませんでした。
このような特徴から、「柔らかいステンレス」と呼ばれ、これまではコンクリートの滑落防止材や、防弾チョッキや軍事車両等に使われてきました。
これまでのポリウレアの問題点
では、なぜ建築用として使用されていなかったのかというと、硬化速度が早すぎるという問題点がありました。
硬化剤を混ぜてから数十秒後には指触乾燥、数分後には上を歩行できるまでに乾燥するという早さです。
トンネルのコンクリート滑落防止のように大掛かりな工事であれば、吹き付ける瞬間に吹付機の先端で混合する、専用の大掛かりな機械を用いることで実用化ができました。
しかし、その機材は大掛かりであるために、住宅塗装に用いることは現実的ではありません。
そこを解決した塗料が、KFケミカル社の「KFスーパーウレアコート」です。
特殊加工をされた硬化剤を使用することで、吹付直前の混合ではなく、最初から塗料に混ぜてある一液型化に成功。
大掛かりな専用吹付機を使わなくても、ローラーで手塗りができるようになりました。
そうして住宅塗装に使用できるようになったのです。
KFスーパーウレアコートが住宅塗装にもたらすメリット
これまでフッ素塗料や無機塗料が「高耐候性塗料の代名詞」として認知されてきましたが、KFスーパーウレアコートの登場は、その常識を大きく覆すものといえます。
まず第一に挙げられるのは耐用年数の大幅な延長です。
フッ素塗料が15~18年程度、無機塗料が20〜25年程度の期待耐用年数とされるのに対し、KFスーパーウレアコートは30年という圧倒的な数字を誇ります。
これは、一般的な住宅のライフサイクルにおいて「一度塗り替えれば、次の世代まで長く持たせる」ことが可能になることを意味します。
次に、クラック追従性の高さです。
開発元のKFケミカルは、生卵にKFスーパーウレアコートを塗り、2mの高さから落とす実験をしました。
その結果、卵の殻にひび割れが入りましたが、塗膜は割れず、中身が飛び散ることはありませんでした。
外壁に置き換えれば、例えひび割れが入っても、塗膜は変わらず外壁を覆って防水性を保てるということです。
無機塗料を始め、一般的な塗料の弱点とされていた“ひび割れやシーリングの動きに追従できない硬さ”を、ポリウレアのしなやかさが解決しました。


さらに、メンテナンスコストの削減も見逃せません。
塗り替え回数が減るということは、足場代や工事費用も大幅に抑えられることにつながります。
特に昨今の物価上昇や人件費高騰を考慮すると、「長期的に見て経済的」という点は、施主にとって大きな魅力です。
住宅塗装の新時代へ
無機塗料が登場した2000年代半ばは「フッ素を超える耐候性」ということで大きな話題を集めました。
そして2020年代、ポリウレア樹脂を用いたKFスーパーウレアコートは「無機塗料を超える塗料」として、住宅塗装の新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。
従来の常識を覆す“強さと柔らかさ”を兼ね備えた塗膜。
それはまさに、住宅を長く、美しく守り続けるための理想的な答えといえるでしょう。


